独立時計メーカー『KIKUCHI NAKAGAWA』とは?
日本は、GPSソーラーなどの独自の先進技術や、伝統的なマニュファクチュールの技術も擁する時計生産先進国である。そして大手メーカーばかりでなく、新進の独立系ブランドも多く誕生している。KIKUCHI NAKAGAWAもそのひとつ。パリで時計作りを学んだ後、現地で時計修理の実績を重ねた菊池悠介と、刀匠修業から時計師に転向し、シチズン時計勤務や小規模時計製造のプロセスを経験した中川友就というふたりの時計師が昨年立ち上げた。そのデビュー作となるMURAKUMOは、王道スタイルである小径の2針+スモールセコンドに、ブレゲ数字やスペード針といったスイス時計の伝統に則った意匠をちりばめる。こうした先人へのリスペクトに加え、ブランドの個性を主張するのがケースや針に施された“磨き”だ。現代の匠と呼べる手仕事により、類い稀な美しさが際立つ。クラシックかつモダン。日本ならではの美的感性と熟練の技が生んだ注目作だ。
第4回「なぜ独立時計メーカーに? 良い時計の条件は?」
なぜ独立時計メーカーに? 良い時計の条件は?
世界には数多くの魅力的な時計が存在します。その中から、選ぶべき時計の条件とはいったいどんなものなのでしょうか。
時計を知り尽くしたお二人に良い時計の条件について語り合っていただきました。
時計の仕上げについて
時計の仕上げはその時計の価値を決めるカギとなるのだろうか?
仕上げが素晴らしい時計とは? また昨今の時計の仕上げ技術はとどのようなものか?
お二人が考える、時計の仕上げ論について語り合っていただきました。
なぜケースをこれほど磨くのか?
KIKUCHI NAKAGAWAの「MURAKUMO」の仕上げは、誰もが息を飲むほどの美しさ。
なぜそこまで徹底的に磨き上げたのか?その仕上げへのこだわりや仕上げ手法まで、中川友就氏が包み隠さず披露してくれました。
今回の対談に関してのご意見・ご質問をお待ちしております。ぜひコメント欄からご投稿ください。
広田 雅将
Masayuki Hirota
時計ジャーナリスト・時計専門誌『Chronos日本版』編集長
1974年大阪府生まれ。会社員を経て、時計専門誌クロノス日本版編集長。国内外の時計賞で審査員を務める。監修に『100万円以上の腕時計を買う男ってバカなの?』『続・100万円以上の腕時計を買う男ってバカなの?』(東京カレンダー刊)が、共著に『ジャパン・メイド トゥールビヨン』(日刊工業新聞刊)『アイコニックピースの肖像 名機30』などがある。時計界では“博士”の愛称で親しまれており、時計に関する知識は業界でもトップクラス。英国時計学会会員。
中川 友就
Tomonari Nakagawa
ウオッチメーカー「KIKUCHI NAKAGAWA」代表
刀匠での修行の後に時計師へと転向する。時計専門学校卒業後、フランスでの修行を経てシチズン時計株式会社に就職。腕時計の設計、製造、調整など大規模製造業務に一通り従事。その後、東京時計精密株式会社へ転職し、独立時計師の小規模な製造現場に携わる。退社後、菊池悠介氏と共に、KIKUCHI NAKAGAWAを立ち上げて、現在に至る。