バーゼルワールド2018は、昨年に比べて出展ブランドが半減し、会期も2日短縮されました。そんなことから開催前には不安視されたものの、実際にふたを開ければ例年と変わらぬ充実ぶり。SIHH2018が高級時計に絞っているのに対し、バーゼルはよりライフスタイルに向き合い、時代の先鞭(せんべん)となります。そんな注目のトレンドと新作時計を紹介します。
Vol.7
「腕元はオールサマーロング」
スポーツウォッチのカテゴリーでも、クロノグラフと双璧をなす人気がダイバーズウォッチです。本来は海中での使用を想定し、高い防水性や堅牢性に加え、暗所でも優れた視認性や、潜水時間を計る回転ベゼルといった専用機能を備えます。しかしこうしたハードな使用にも耐える性能は、道具としても極めて実用的であり、機能美ともいえるデザインも流行に左右されず、長く愛用できます。それが時代を超え、多くのファンを惹きつける理由でしょう。今年ブレゲよりデザインをリフレッシュして登場したマリーンコレクションは、スポーティなテイストはそのままに、回転ベゼルなどを省くことで、ラグジュアリーなビーチリゾートはもちろん、街にも違和感なく馴染みます。その腕元にスポーティな現代のライフスタイルを映し出し、どこにいても太陽の眩い日差しと、潮の香りを漂わせるのです。
<ブレゲ>マリーン・クロノグラフ 5527
自動巻、Tiケース、直径42mm、10気圧防水 予価 2,635,200円
※今秋発売予定
クラシックなドレスウォッチのイメージが強いブレゲですが、その歴史には航海用時計のマリンクロノメーターの伝統が刻まれています。今年はこのラインをフルモデルチェンジし、よりモダナイズ。クロノグラフは、積算カウンターとスモールセコンドに大小の変化をつけた躍動感溢れるスレートグレーフェイスに、シリーズ初のチタンケースを採用しました。
<ブランパン>フィフティ ファゾムス バチスカーフ デイ・デイト70s Ref. 5052-1110-63A
自動巻、SSケース、直径43mm、30気圧防水 1,350,000円
バチスカーフは、ダイバーズウォッチをシティユースにも対応すべく1956年に開発されました。さらに1970年代には時代のトレンドを反映し、よりスタイリッシュなデザインを採用しました。新作はこれを復刻し、グラデーションのグレー文字盤にはデイデイト表示に、独創的なインデックスが特徴です。ストラップにもヴィンテージ感が漂います。
<セイコー> プロスペックス ダイバースキューバ 1968 メカニカルダイバーズ 現代デザイン SBDC061
自動巻、SSケース&ブレスレット、ケース径44mm、200m潜水用防水 118,800円
セイコーは、1965年の国産初ダイバーズに次ぎ、1968年には10振動のハイビートムーブメントを世界初のワンピース構造の防水ケースに搭載し、300m防水を実現しました。誕生50周年を祝したモデルは、当時の力強いデザインを踏襲しつつ、スリムなベゼルやモダンな時分針を採用し、マリンスポーツだけでなく、日常的な用途にも対応する200m空気潜水用防水のモデルです。
取材・文 柴田 充
Enent Phoography by Ryotaro Horiuchi
*価格は全て税込み、2018年5月末日時点での予定価格です。為替変動などの諸事情により価格が予告なく改定される場合がございます。