バーゼルワールド2018は、昨年に比べて出展ブランドが半減し、会期も2日短縮されました。そんなことから開催前には不安視されたものの、実際にふたを開ければ例年と変わらぬ充実ぶり。SIHH2018が高級時計に絞っているのに対し、バーゼルはよりライフスタイルに向き合い、時代の先鞭(せんべん)となります。そんな注目のトレンドと新作時計を紹介します。
Vol.8
「緑、青、赤。華やぐ色に広がる楽しみ」
時代のファッションスタイルに従い、1970年代には時計もカラーダイヤルが流行しました。そして数年前からこの色がリバイバルしています。文字盤の定番色である白と黒に加え、ブルーが人気を呼び、今年はとくにグリーンが数多く登場しています。グリーンはファッションではすでに流行色であり、パントンカラー研究所が発表した流行色レポートでも2018のトレンドカラーに挙げられています。これもファッションと同じように時計をアクセサリーとして楽しむ傾向が高まっていることを裏付けます。SIHH 2018では、よりシックなナチュラルカラーや落ち着いた仕上げが目立ったのに対し、バーゼルワールドでは鮮やかなレッドなど、よりビビッドで個性豊かな色を競います。その多様性が時計の魅力や楽しみ方をさらに華やかに彩ります。
<ラドー>トゥルー シンライン ネイチャー R27006912
クオーツ、ハイテクセラミックスケース、ケース径:39mm、3気圧防水 226,800円
わずか5㎜というケース厚を誇る世界最薄セラミックスに、美しいグリーンで統一した新色が登場しました。文字盤はグリーンのマザー・オブ・パールの裏側に、葉脈の模様を描き、ナチュラルな美しさが楽しめます。庭園の緑をイメージし、着けていることすら忘れてしまうような快適な装着感と自然派のカラーリングに気持ちも和みます。
<ロンジン>コンクエストV.H.P./L3.717.4.96.9
クオーツ、SSケース、ケース径:42mm、5気圧防水 211,680円 *9月発売年差±5秒という圧倒的な精度を誇り、衝撃や磁気に対してはGPD(ギアポジション探知)システムにより時刻を自動補正します。さらに長寿命バッテリーと永久カレンダーの実用性を備えた人気モデルに、待望のクロノグラフが登場しました。躍動感あるブルーとアクセントカラーのレッドがスポーティなスタイルをさらに演出します。
<オメガ>シーマスター オリンピック コレクション マスター クロノメーター /522.32.40.20.01.004
自動巻き、SSケース、ケース径:39.5mm、6気圧防水 626,400円
オリンピックにおけるオメガの歴史は古く、1932年まで遡ります。デザインは1976年のオリンピックに使用されたストップウォッチをモチーフに、五輪マークを彷彿とさせる鮮やかなレッドが彩ります。ケースバックにはオメガが関わってきた1932年から2028年の大会開催都市と日付が刻まれ、1万5000ガウス以上の耐磁性能も魅力です。
取材・文 柴田 充
Enent Phoography by Ryotaro Horiuchi
*価格は全て税込み、2018年5月末日時点での予定価格です。為替変動などの諸事情により価格が予告なく改定される場合がございます。