WORLD WATCH FAIR
2020/12/04
2420views

第23回三越ワールドウォッチフェアを終えて 

コメント 63

10月14日(水)~ 27日(火)までの2週間、日本橋三越本店においてワールドウォッチフェアが開催されました。今年もたくさんの方にご来場いただきありがとうございました。

今年は新型コロナウイルスの感染拡大が全世界中に猛威を振るい、このことは時計業界にも大変大きな影響をもたらしました。
毎年開催されていた世界2大時計見本市が中止となってしまったのです。
時計業界では、毎年1月から3月にかけてスイスで開催されていたSIHH(ジュネーブサロン)とバーゼルワールドという世界2大時計見本市を中心に各ブランドの新作が一斉に発表されます。そこに世界中からバイヤーやメディアの方々が集結し、買い付けを行ったり新作の情報を発信していました。

日本橋三越本店のワールドウォッチフェアが毎年8月の中旬から後半にかけて開催されていた大きな理由は、この2大見本市で発表された新作の数々の実機がそろってきてお客様が実際の手に取ってご覧いただける時期だったからでした。

ところが今年はその両見本市が中止になり、さらに日本橋三越本店も4月8日から5月29日までの約2か月弱もの間休業を余儀なくされたため、準備が間に合わず開始時期も後ろ倒しにせざるを得ない状況になってしまいました。

そんな特殊な状況下の中開催された今回のワールドウォッチフェアでしたが、逆に言えばお客様も今年の各ブランドの新作を一同にご覧いただける機会が今年はなかったこともあり、予想以上に多くのお客様にご来場いただきました。


今年のワールドウォッチフェアのカタログ。表紙はA.ランゲ&ゾーネの「オデュッセウス」。

今年のワールドウォッチフェアのテーマは「時の懸け橋」としました。
過去から未来、お客さまと時計文化を繋ぎ合わせ懸け橋となってきた奥深い歴史や技術革新、また時計師の哲学や情熱などを、このワールドウォッチフェアをつうじて訴えていく、という意味がこめられています。
今まで経験したことのないようなこの状況の中、家族や大切な人を見つめる時間も増え人とのつながりの大切さを再認識し、新しい価値観が生まれてきています。そんな新しい日常の中、人生の時を紡ぐ「懸け橋」となるような名品の時計の数々や時計師たちの想いや情熱を伝えていきたいという考えからこのテーマにしました。


今年のテーマ「時の懸け橋」

会場は本館6階のウォッチギャラリーの他、前半は7階の催物会場と1階のイベントスペースでもご紹介をしました。

7階ではテーマにもとづいたイベントや展示を中心に展開しました。


7階の会場の様子

①特別展示「時の懸け橋」

セイコーミュージアム所蔵の過去の貴重な時計にまつわるミュージアムピースを展示しました。 過去から現在に至るまで時計の流れ、文化を感じて頂きました。


展示ブースの様子


展示品「二挺天符式袴腰櫓時計」


展示品「改暦弁」

②ヒコ・みづのジュエリーカレッジ研究生卒業作品アーカイブ展示

ウォッチメーカーを育てる専門学校「ヒコ・みづのジュエリーカレッジ」の卒業生の過去の卒業作品を展示いたしました。
日本の時計界の未来への懸け橋となるべく若い人材への応援の意味も込めた企画でした。


展示ブースの様子


関法史氏作品「球体月齢表示懐中時計」


小林昌博氏作品「トゥールビヨン」

③ドイツウォッチフェア

今年は東西ドイツ統一30周年、ドイツ時計産業の聖地「グラスヒュッテ」で時計づくりがはじまって175周年とドイツ時計産業にとって記念すべき年です。それにちなんでドイツ時計を20ブランド集積してご紹介しました。普段取り扱いのないブランドもこの期間だけご紹介でき時計ファン中心に喜んで頂きました。


ブースの様子。ドイツの国旗の色でもあるゴールド色のカーペット。


7階ではドイツ軍用時計をテーマにご紹介


チュチマ「パトリア」の美しいケースバック。

④そのほか7階ではトークイベントも開催されました。


クロノス日本版編集長広田雅将氏とヒコ・みづのジュエリーカレッジ篠原那由他氏トークイベント


明石市立天文科学館館長井上毅氏特別講演

1階では今年グランドセイコーが60周年というアニバーサリーイヤーを記念してグランドセイコーの歴史を感じられる過去の貴重なアーカイブピースから最新作までをポップアップでご紹介いたしました。

そしてメイン会場の6階のウォッチギャラリーでは各ブランドの新作や希少品のご紹介の他に貴重なミュージアムピースの展示や、中央のスペース「cal.BAR」にてのトークイベント、ドイツ時計専門サイト「GERMANWATCH.JP」の総編集長の菊地吉正氏をお招きしてのドイツ時計の歴史のついてのインスタライブなどを開催し、賑わいをみせました。


A.ランゲ&ゾーネのミュージアムピースの懐中時計


ブレゲのミュージアムピースの懐中時計


ジャガー・ルクルト2020年新作
マスター・グランド・トラディション・グランド・コンプリケーション


クドケ 2020年新作
クドケ2 ノクターン

三越ワールドウォッチフェアは、各ブランドの注目の時計の新作を、ブランドの垣根を越えて一堂にご覧頂けるだけでなく、長い歴史の中ではぐくまれた奥深い文化や物語を感じていたける場であると思っています。時計好きの方はもちろん、まだ時計に興味のない方、このワールドウォッチギャラリーを通じて興味を持ち始めた方も、来年のワールドフェアにお越しいただき楽しんでいただけたら幸いです。

2020年第23回ワールドウォッチフェアの皆様の感想・コメントもお待ちしております。

コメントを書く
63件のコメントがあります。
ログイン