今回は茶道家の松浦ひかりさんに、お茶を楽しむ際におすすめの秋のきもののコーディネートを選んでいただきました。きもの選びの際にはこだわりをもたず、季節が変わりゆくように、その時自分が「好き」と思ったもの、縁を感じたきものを選ばれるという松浦さん。どのようなきものコーディネートになったのでしょうか。
プロフィール
松浦ひかり (吉森ひかり)
茶名 宗光
東京生まれ。
「茶の湯は表現、茶会は物語」をモットーに夫婦で、茶道教室や茶会を催し、幅広い層にお茶の楽しさを伝えている。
和のある、優しい暮らしを提案している。
茶室 星霜軒 (せいそうけん)
URL:seisou-ken.com
千代田区麹町 光庵(ひかりあん)庵主
裏千家茶道教室 洗心会(せんしんかい)主宰
国際野点協会(INA)代表
(社)俳人協会会員
しつらえられた空間の美を尊ぶ
茶室でのきものコーディネートで大切にしていることは、第一に清浄さです。
「和敬清寂」を基本理念にする茶道では、茶巾や茶筅などの道具の清らかさを大切にします。
同様に、きものでも衿元や足袋の白さ、まとめ髪の清楚さを大切にして、その上で心落ち着ける装いを目指しています。
茶室はインスタレーション(空間芸術)ですから、亭主側でも、客側でも、せっかくのしつらえを乱さないよう、場と調和するきものをできるだけ選びたいと心がけています。
趣向に色彩を添える亭主のきもの
晩秋の茶会に亭主として着てみたいと思って選びました。
蒔き糊に暈しの技法で、格のある訪問着ですが、初雪の舞う空を見上げたような、落ち着きある華が気に入りました。
花兎の帯地は角倉金襴(すみのくらきんらん)好きの主人へのオマージュです。
お客として会に寄り添うきもの
人様の会にお招きいただいた日に。
肩に力を入れず、空気や風をお手本にしたい。
飛ぶ鳥あとを…と申しますので、秋の空や水のような澄んだ心を表すブルーに、色づき初めた楓の葉をあしらった帯で少しの華やぎを。
グラデーションの美しいきものですが、繰り返し柄と同じ、小紋の装いです。
洋服のように楽しむきもの
グレーの紬はお茶以外で着たくて選びました。
暮らしの中できものを楽しみたくなってきました。
素材の柔らかさが自分に優しいので、ダンガリーシャツのように自然体で着られたらと。
帯はバイヤーさんにおすすめ頂いた一本がぴったりで気に入りました。
モダンなモノトーン帯に、帯揚げ、帯締めで差し色を効かせて変化を楽しみたいです。
今回松浦ひかりさんが選んだきものコーディネートをご覧になりたい方は、日本橋三越「彩り祭」にて展示しています。松浦さんご出演のトークセッションもあるので、ぜひ足を運んでみてくださいね。
■□日本橋三越「彩り祭」□■
①現代茶道家の選ぶキモノスタイル
いま東京の茶道界で活躍するお二人の茶道家にコーディネートして頂いたきものを展示いたします。
日時:2018年8月29日(水)~9月4日(火)10時~19時
場所:日本橋三越本館4階 呉服プロモーションスペース
②現代茶道家ときもの 秋のコーディネート トークセッション
現代茶道家ときもののプロが、茶道を含め「現代で着るきもの」についてお話をいたします。
「現代茶道家と考えるキモノスタイル」
茶室 星霜軒 庵主 松浦ひかり× 木下着物研究所 木下勝博
日時:2018年9月1日(土)14時〜14時40分
場所:日本橋三越本館4階 呉服プロモーションスペース
「お子様と楽しむ茶道とキモノスタイル」
和ノトキ くらもとまき× 木下着物研究所 木下勝博
日時:2018年9月2日(日)14時〜14時40分
場所:日本橋三越本館4階 呉服プロモーションスペース
※各会人数制限はございません。椅子は15席程用意予定です。