自らが選んだ人生最良の一本も、代々受け継がれてきた一本も、時計への想いを感じながら、永く愛するためのメンテナンスストーリーをご紹介します。
「時計メンテナンスのススメ」第一回目は、1960 年代に購入されたオメガ シーマスターをオーバーホールする様子をレポートします。
製作年代 :1960 年代
キャリバー :cal. 601
今回、時計クリニックに持ち込まれた時計は、オメガ シーマスター コズミック。所有者であるUさんは「叔父から受け継いだ時計を蘇らせたい」という思いを抱き、時計クリニックへ。まずはどのように使用されていたかを U さんからヒアリング。経年変化、またほぼ使用していなかったということもあって、専門設備の整った時計クリニックで詳細な検査とオーバーホールをすることになりました。
7 名の時計師を要する時計クリニックは、時計クリニックが長年提携する時計工房。今回オーバーホールを担当してくださる岸本幸一郎さんにお話しを伺いました。
オメガ シーマスター コズミックの特徴
①: 裏蓋のないワンピース構造
密封性を高めるため、この時計は裏蓋のないワンピース構造となっています。ケースを開けるときも、オメガ社の専用工具を使います。
②: プラスティック製の風防
この年代の時計に多くみられる、プラスティック製の風防です。傷がつきやすいのですが、この年代の時計特有の味わいがあります。
③: cal.601
1960 年代半ば、オメガ社が開発したキャリバー 601 を使用。手の届きやすい価格でありながら、手巻きの名機として、人気を博しました。
オーバーホールの重要性とは...
1960 年代に購入されてから、長くオーバーホールされていなかったようで、2番受けに乾燥した潤滑油がこびりつき、黒くなっていました。そのままにしておくと金属が摩耗する原因になるため、今回オーバーホールしたのは、いいタイミング だったと思います。
時計クリニックでオーバーホールを体験したUさんのコメント
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叔父から譲り受けたものの、どのようにしたら自分使いできる時計になるのか、よくわからなかったのですが、時計クリニックがとても丁寧な対応してくれたので、安心しておまかせできました。
譲り受けたときには、ベルトが外された状態だったので、今度は自分の気に入ったベルトをつけて、どんどん使いたいと思います。時計ベルト選びも相談したいですね。
ご相談ください
人生をともに歩む時計を大切にお預かりし、技術力とまごころで調整いたします。