今年もSIHH 2018(SALON INTERNATIONAL DE LA HAUTE HORLOGERIE国際高級時計見本市:通称ジュネーブサロン)が、1月15日から19日にかけてスイス・ジュネーブで開催されました。ウオッチシーズンを先駆け、業界を展望するイベントとして重要度は増し、出展ブランドは35に上り、来場者数も約2万人を記録しました。その中から注目のトレンドと新作を紹介します。
Vol.2
「腕元を飾るニュアンステイスト」
専門機関が選んだ今年の流行色は、ミントやパープルとのこと。ただこれも一つの指標に過ぎず、それ以上に質感が重視されているといいます。たとえばシャイニーなのかマットなのか、色にしても明度や彩度によって印象は大きく異なります。時計も腕元のアクセサリーとしてのウェイトが増すなか、ニュアンスある仕上げやカラーにこだわった新作が登場しました。ゴージャスさがあるYG素材の光沢を抑えたり、硬派な印象の強いSS素材をマットに仕上げて軽快感を表現したり。カラーにしてもビビッドなビタミンカラーよりもグレージュに代表されるナチュラルなトーンが目を引きます。ファッションにも映え、機械式時計という精緻なメカニズムとの相性も良いのです。
カルティエ / サントス ドゥ カルティエ ウオッチ
¥3,920,400(予価) / CRWGSA0010
自動巻、K18YGケース、ケースサイズ縦41.9×横35.1㎜、10気圧防水
© Cartier
フェミニンなMMサイズながら、ゴージャスなフルゴールドの仕様は存在感に溢れます。光沢感がある一般的なYG素材では過飾を感じさせますが、マットに仕上げることで品格あるエレガンスを醸し出します。落ち着きのあるグレー系のファッションに映え、カジュアルなコーディネートもリッチに格上げします。カルティエらしい1本です。
A.ランゲ&ゾーネ / リトル・ランゲ1
¥3,985,200(予価) / Ref.181.038
手巻、K18WGケース、ケース径36.8mm、3気圧防水、ワニ革ストラップ
シリーズ最小モデルも最新ムーブメントの搭載とともに、新たなカラーリングを纏いました。文字盤はギョーシェ*1装飾を施したゴールド素材になり、ストラップも同色で統一します。大人のシックが漂うグレーのニュアンスカラーは、美しいフェイスデザインとともに、内に秘めた精緻なメカニズムをスタイリッシュに表現します。
エルメス / カレ アッシュ
¥837,000
自動巻、SSケース、ケースサイズ縦38×横38mm、3気圧防水、カーフストラップ
Photo:Calitho
2010年に発表したモデルをモダンにリファインしました。「カレ」とはメゾンの代表作である正方形のスカーフのこと。まさにその正方形を象ったケースには、スポーティかつダイナミックなデザインを採用。直線的な角形ながら角は滑らかな曲線を描き、マットに仕上げることで柔らかな質感を与えます。男女を問わず、シェアウオッチとしてもお勧めです。
エルメスジャポン 03-3569-3300
取材・文 柴田充
Event Photography by Yoshinori Etoh
*1 文字盤に機械や手で施す装飾技法のひとつ。
※価格は全て税込み。2018年3月20日時点での予定価格です。為替変動などの諸事情により、価格が予告なく改定される場合がございます。
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