歯車族バトン
2018/03/29
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ダイニングイノベーション西山「決断と挑戦から見えたこととは?」1- 40本持っていた時計の断捨離

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ダイニングイノベーション
代表取締役会長 西山知義

焼肉レストラン「牛角」をはじめとした外食産業で、新しいコンセプトで次々と成功を遂げたレインズインターナショナルの創業者。2012年に〝第2創業〟したのが「ダイニングイノベーション」。創業からわずか約2年でグループの外食店舗を100店の大台に乗せた手腕は高く評価されており、外食の起業家とも呼ばれている。ダイニングイノベーショングループでは「やきとり家すみれ」、「しゃぶしゃぶ れたす」、「焼肉Kintan」、「星遊山」などを展開し、海外進出も積極的に行っている。

第1回「40本持っていた時計の断捨離」

広田: 西山さんのビジネスにはスピード感があり、圧倒的な速さでやってこられたという印象があります。そういう人がつけている時計って面白いだろうなと興味を持っていました。

西山: 今は10本程度しか持っていないんですが、前は40本ぐらい持っていました。

広田: それはすごい。時計を買うようになったのはいつ頃から?

西山: 不動産業をしていた20代の頃から、当時はスーツに合うような時計をいつも選んでいましたね。ロレックスの「エクスプローラーⅠ」や「サブマリーナ」、ブルガリなどです。

広田: 不動産業の方は確かにロレックスを使っている方が多いような(笑)。選んだ理由というのは?

西山: 何ですかね。昔はやっぱり高い時計に憧れていましたから。成功したいとか。時計やクルマってその象徴じゃないですか。若い頃に一番欲しかった時計は金のロレックスでしたからね(笑)。

広田: 意外ですね。いまのスタイルからは全然想像がつかない。

西山: 仕事先でも、それをたまにつけている人がいると「すごいなぁ」と憧れていました。でも20代後半ぐらいからそういう考えも変わってきて、ギラついた時計でお金を持っていることを誇示するほうが恥ずかしいと思い始めました。むしろビジネスでは、派手な時計をしていると信頼感がない。ある先輩が上場企業のトップの集まる会に誘ってくれ、その時に時計をプレゼントしてくれたんですよ。グランドセイコーでした。今度の席では派手な時計を一切してくるな、これをしてこいと言って。クルマも100メートル手前で降りて歩いてこいと。僕らみたいな起業家は割と自由にやっていますが、やっぱり企業がどんどん大きくなっていくと周りの人達も変わってくるし、ちゃんとそれに合った接し方ができないといけないと先輩方に教わりましたね。

広田: 確かに。時計にはステイタスがありますが、ビジネスで成功を収められた方は極端な話、持ち物で自分を誇示する必要はないのかもしれませんね。西山さんの所有する時計に複雑系や見た目が派手なものがないのは、自分のテイストと違うからですか。

西山: そうですね。実際に使う時計だけを手元に持っておきたいというのがあります。コレクションするつもりもないので。金の時計がないのは、ファッションを合わせるのが意外に難しいんですよね。できるだけシンプルに収めたいというのがありますね。

1915年、ブライトリングは、独立した専用プッシュボタン機構を備えた腕時計クロノグラフを発表。こんにちのクロノグラフの原型となったモデルの誕生100年を記念したモデル。「トランスオーシャン クロノグラフ 1915」

広田: 40本から今の本数に減らしたというのは、経験値が上がることでこんなに本数はいらないかなというような感覚でしょうか。

西山: そうですね。資産が眠っているみたいで、使うものに集約していったほうがいいと思うようになりました。使っていない時計が並んでいるのを見て、もったいない気になってきちゃったんですよね。

 

次回は、歯車族、西山知義のギャップがあることが自分らしさをご紹介いたします。

第1回

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広田雅将さん

広田 雅将
Masayuki Hirota

時計ジャーナリスト・時計専門誌『Chronos日本版』編集長

1974年大阪府生まれ。会社員を経て、時計専門誌クロノス日本版編集長。国内外の時計賞で審査員を務める。監修に『100万円以上の腕時計を買う男ってバカなの?』『続・100万円以上の腕時計を買う男ってバカなの?』(東京カレンダー刊)が、共著に『ジャパン・メイド トゥールビヨン』(日刊工業新聞刊)『アイコニックピースの肖像 名機30』などがある。時計界では“博士”の愛称で親しまれており、時計に関する知識は業界でもトップクラス。英国時計学会会員。

西山知義さん

西山 知義
Tomoyoshi Nishiyama

ダイニングイノベーション代表取締役会長

1966年、東京都生まれ。不動産会社を経営する父と母、弟の4人家族に育つ。 小学生時代は野球、中学ではバスケット、高校はアメフトとスポーツに打ち込む。 大学に進学するも起業するなら早い方がよいと1年で中退。
不動産会社勤務を経て、不動産会社を設立。 その後1996年「牛角」1号店を東京・三軒茶屋にオープン。 当時の焼肉店にはない「安くて おいしく、オシャレな焼肉屋」というコンセプトで、わずか3年間で100店舗にまで拡大。2000年にはレインズインターナショナルを株式上場。
その後レッドロブスタージャパンの買収、しゃぶしゃぶ「温野菜」、居酒屋「土間土間」などを経営し、海外にも進出。 7年間で1000店舗の外食チェーンを築き、世界最速記録を樹立。
その後、小売事業にも参画し、2004年にコンビニエンスストアの㈱am/pmジャパン、高級スーパーマーケットの㈱成城石井を買収。 若干39歳でグループ総店舗数2,300店舗、総売上3,500億円までのグループを築く。 2012年にレックス ホールディングスを譲渡し、新たなステージを世界に広げ「日本の食文化を世界に」をミッションに掲げ、ダイニング イノベーションを設立。現在に至る。

第1回

今回の対談場所

TOKYO whiskey Laboratory
2016年に表参道に誕生した、大人のための、大人が集えるウイスキーバーラウンジ。洗練されたデザインの店内には約1300種のウイスキーが、まるで絵画のように並んでいます。海外の雑誌にも紹介されたこともあり、外国人も多く訪れているといいます。

東京都港区南青山5-5-24 南青山サンタキアラ教会2階
TEL:03-6434-1163
WEB:http://tokyo-whisky-library.com
営業時間:月~金曜 18:00~27:00(26:00L.O.)
土曜 15:00~27:00(26:00L.O.) 日・祝日 15:00~24:00(23:00L.O.)
※祝日中日は土曜日と同じ営業時間です。

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